平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
帝国ナンバーワンリサーチ組合は、2026年8月23日時点をもちまして、No.1表示および「日本初」「世界初」等の先行性表示に関するご相談・ご依頼をお寄せいただいた企業・団体が、累計1,000社(※1)を超えましたことをご報告申し上げます。
ご依頼をお寄せいただきましたお客様、ならびに日頃よりご支援を賜っております関係各位に、心より御礼申し上げます。
ただ、この数字そのものに大きな意味があるとは考えておりません。当社にとって意味があるのは、1,000社のうち相当数のご相談に対して「そのままでは成立しません」とお伝えしてきた、という事実の方です。以下、この2年間に起きたことと、そこから見えてきたことを申し上げます。
◼️ この2年間に、No.1表示をめぐる環境は大きく変わりました
2024年9月26日、消費者庁は16年ぶりとなる「No.1表示に関する実態調査報告書」を公表しました。同報告書は、主観的評価(いわゆるイメージ調査)に基づくNo.1表示が合理的根拠を有するための要件として、比較対象の適切な選定、調査対象者の適切な選定、公平な調査方法、そして表示内容と調査結果の適切な対応という4点を明示しています。
続く2024年10月には改正景品表示法が施行され、直罰規定の導入、再違反時の課徴金1.5倍加算、確約手続の新設が行われました。
そして2026年3月には、No.1表示等を理由とする課徴金納付命令1億7,262万円が命じられています。2025年10月には、「初」表示を対象とした措置命令も出されました。
規制の局面は、措置命令による是正を中心とする段階から、金銭的な負担が現実に発生する段階へと移りつつあります。ご相談件数の増加は、この変化に対する事業者側の危機感の表れであると受け止めております。
◼️ 1,000社のご相談から見えてきた、3つの論点
(1)主観指標は、そのままでは調査にかけられません
「満足度」「おすすめ」「安心」「信頼」「簡単」といった主観的評価を軸としたNo.1表示は、消費者庁報告書が名指しで問題視した類型です。特に「顧客満足度No.1」を掲げる場合、調査対象者を実際の利用経験者に限定することが不可欠であり、利用歴を確認しない調査に基づく表示については、過去に課徴金6,346万円の事案が発生しています。
当社にお寄せいただくご相談の多くは、この主観指標を出発点としています。実利用者に限定した調査設計へ切り替えるか、客観指標へ軸を移すか。この判断が、実務上の最初の分岐点になります。
(2)「初」表示は、無限定では成立しません
「日本初」「世界初」の立証は、先行事例が存在しないことの証明、すなわち消極的事実の証明を伴います。当社が受託した先行性調査においても、無限定の定義のままでは先行事例が確認され、方式・機能・用途による限定条件の設計を経て初めて表示が成立するケースが大半を占めました。
当社が発行できるのは「定義した範囲において先行事例が確認されなかった」という事実の証明であり、先行事例の不存在そのものを証明するものではありません。この点は、ご依頼前に必ずご説明しております。
(3)客観指標であっても、比較対象の定義が要になります
「累計会員数No.1」のような客観指標型であれば安全か、というとそうではありません。会員の定義に無料会員を含むか、カテゴリの定義(「審査制」「ハイクラス」等)に業界共通の基準が存在するか、比較対象から除外した競合について合理的な説明ができるか。これらが文書化されていなければ、比較の同一性は担保されません。
比較対象の定義を文書として固めること。これが、調査設計における中核工数です。
◼️ 当社が変えないこと
これまでも、これからも変えない方針が3つあります。
1つ目は、成功報酬を採用しないことです。「No.1が取得できたら課金」「1位が出るまで再調査」という料金設計は、結果ありきの調査を構造的に誘発します。当社は着手時点で費用を確定し、調査結果と報酬を連動させません。
2つ目は、事前に可否を判定し、不可の場合は不可とお伝えすることです。ご相談いただいた表示案が成立しないと判断した場合、その旨と理由を先にご提示します。ご依頼をお断りすることもあります。
3つ目は、消費者庁報告書の4要件を設計の起点とすることです。プレスリリース配信媒体の掲載基準を満たすことは最低条件であり、それ自体が適法性を保証するものではありません。