「ECサイトで他社と差別化を図りたい」「数字で裏付けられた実績を広告やサイト上で訴求したい」──そんなEC事業者にとって、第三者機関が実施する No.1調査 は大きな武器になります。本記事では、No.1調査を活用して売上を飛躍的に伸ばした ECサイトの成功事例を紹介しながら、具体的な手順やポイントを解説します。
1. 成功事例概要
1.1 企業プロフィール(事例企業A社)
- 業種:ファッション系ECサイト(レディースアパレル中心)
- 設立:2018年
- 年商:3億円(調査実施前)
- 主要顧客層:20~30代女性
- 商品特徴:トレンドを押さえつつ適度な低価格帯で提供するオリジナルデザイン
1.2 課題と目的
- 集客チャネルはSNS広告やリスティング広告、アフィリエイトが中心だったが、競合サイトとの差別化が難しくなっていた
- 広告単価が高騰し、CPA(顧客獲得単価)が上昇傾向にある
- ECサイトの信頼性を高め、既存顧客だけでなく新規ユーザーの獲得を強化したい
- 「業界内で販売数No.1」「顧客満足度No.1」といった確固たる根拠を得て、サイト全体の訴求力を高めることを狙う
1.3 実施したNo.1調査項目
- 「2024年1月~2024年12月におけるレディースアパレルECサイト販売数No.1」
- 「2024年における購入者満足度No.1(アンケート調査)」
2. No.1調査の設計と運用フロー
2.1 調査機関の選定
A社は信頼性を重視し、業界トップクラスの実績をもつ調査会社B社を第三者機関として選択。B社は以下の強みを持っていた。
- EC売上データを網羅する独自のPOS連携ネットワーク
- 1,000名以上のEC利用者を対象としたアンケートパネル保有
- 景表法に準拠した設計ノウハウと法務サポート
2.2 調査範囲と対象設定
- 販売数No.1調査
- 対象期間:2024年1月1日~2024年12月31日
- 調査対象:市場シェアが一定以上のレディースアパレルECサイト上位10社
- データ取得方法:B社が提携するPOSシステムと物流データから月間販売数量を収集し、年間累計を算出
- 購入者満足度No.1調査
- 対象期間:2024年1月1日~2024年12月31日
- 対象者:上記ECサイトを通じて商品を購入した経験がある20~40代女性1,200名
- 調査方法:オンラインアンケート+利用後フォローアップ電話インタビュー
- 回答項目:商品品質、配送スピード、カスタマーサポート、価格満足度、リピーター意向など合計15項目
2.3 サンプル設計と属性調整
- 販売数調査:ECプラットフォームごとに規模感(大規模~中小規模)を3層に分け、各層からデータを収集する層化ランダムサンプリング
- 満足度調査:年代(20代、30代、40代)・居住地域(関東、関西、その他地方)を均等に割り当て、傾向偏りを軽減
- 回答の真正性確認:購入履歴の画面キャプチャ提出を条件とし、不正回答の排除
3. 広告訴求とサイト施策
3.1 ランディングページ(LP)リニューアル
No.1調査結果を反映させるため、A社では最優先でLPを以下のように改修した。
- ファーストビュー上部に「販売数No.1獲得(2024年度)」「購入者満足度No.1獲得(2024年度)」のバッジを大きく配置
- バッジ下に小さく「調査機関:B社」「調査期間:2024年1月~12月」「対象サイト数:上位10社」などを明記し、景表法対応を徹底
- バナーの隣に実際のグラフを図示
- ECサイト上位10社の年間累計販売数を棒グラフで比較し、A社がNo.1であることを視覚的に一目で伝える
- 「購入者の声」セクションに満足度調査結果の抜粋を掲載
- 5段階評価の平均点や「価格満足度4.6/5」「配送スピード4.8/5」など、具体的数値を表示
- 実際のアンケート自由コメントから3~4件を抜粋して、リアリティを向上
3.2 SNS広告クリエイティブの最適化
- クリエイティブ画像に「2024年 販売数No.1」「2024年 満足度No.1」を同時に掲載し、短文コピーで「安心・信頼の裏付けをあなたに」と訴求
- カルーセル広告では、1枚目にNo.1バッジと簡易グラフ、2枚目に実際のユーザーレビュー、3枚目に期間限定クーポンなどを掲載して、クリック後の遷移率を向上
3.3 メルマガとプッシュ通知活用
- メルマガ件名:「【業界No.1】2024年度 売上&満足度No.1を獲得しました!」
- 本文冒頭でNo.1獲得の背景と実績を簡潔に説明し、その後に季節の新作アイテムや限定セール情報を掲載してCVRを底上げ
- スマホアプリのプッシュ通知:「A社は2024年売上No.1&顧客満足度No.1を受賞!今だけ10%OFFクーポンを配布中」
4. 効果測定と成果
4.1 広告効果の変化
- SNS広告のCTR(クリック率)が従来比+25%に上昇
- リスティング広告のCVR(コンバージョン率)が従来比+18%向上
- 広告ROAS(広告費用対効果)が+30%改善
4.2 ECサイトへの流入・コンバージョン計測
- LP改修後の直帰率が20%から12%に低下(-8ポイント)
- 新規ユーザーのCVRが1.8%から2.5%に向上(+0.7ポイント)
- 月間購入件数が平均2,500件から3,200件に増加(+28%)
- 購入あたりの平均購入単価も5%上昇し、結果として月商ベースで3億円→4.2億円に増加(+40%)
4.3 顧客満足度とリピート率
- アンケート調査以降、サイト上に「満足度No.1」の表示を続けたことで既存顧客の信頼度が向上
- リピート率(直近3か月の購入者が再度3か月以内に購入する割合)が15%→22%に増加(+7ポイント)
- 口コミ投稿件数が月間100件から170件に増加し、UGC(ユーザー生成コンテンツ)による二次的な流入も増加
5. 成功要因とポイント解説
5.1 客観的データを可視化した訴求
- 第三者機関による調査結果をバッジやグラフで視覚的に示したことで、ユーザーは「本当にNo.1なのか」を一目で理解できた
- 数字を裏付けにした訴求は、単なるキャッチコピーではなく、安心感と信頼感につながる
5.2 調査結果をワンストップで活用
- LP・SNS広告・メルマガ・アプリプッシュなど、あらゆるタッチポイントで同じNo.1情報を一貫して発信
- 情報の統一感がブランディングを強化し、ユーザーの認知率向上に寄与
5.3 顧客の行動フェーズに合わせたメッセージ設計
- 新規流入ユーザーには「実績の裏付け」を前面に出し、検討段階の不安を払拭
- 既存顧客には「満足度No.1」を訴求し、ブランドに対するロイヤルティを向上
- タイミングによってメッセージを切り替え、最適な情報を提供できたことでCVRやリピート率が改善
5.4 景表法に準拠した情報開示
- 「調査機関名」「調査期間」「対象サイト数」を明示し、広告表現に法的リスクがないことをユーザーにも示した
- 景表法対応の徹底は、企業の誠実さや透明性を訴求するうえで重要な要素となった
6. まとめ
No.1調査を活用して ECサイトの売上を拡大するには、単に「No.1」を取得するだけでなく、その結果をいかに効果的に訴求するかが鍵となります。A社の成功事例を振り返ると、以下のポイントに集約できます。
- 第三者機関による客観的なNo.1調査でユーザーの信頼を獲得
- LPや広告、メルマガなど各チャネルで一貫したNo.1訴求を実施
- 証拠としてのグラフやバッジを視覚化し、数値で裏付ける
- ユーザー行動フェーズに合わせたメッセージ設計でCVR向上
- 景表法に準拠した正確かつ透明性のある情報開示
EC事業者が競合との差別化を図り、売上と信頼性を同時に高めるためには、No.1調査を戦略的に活用することが非常に有効です。自社の現状やターゲット、予算感に応じて適切な調査機関を選び、調査設計から広告訴求まで一気通貫で進めることで、売上拡大の大きなドライバーとなるでしょう。ぜひ自社ECサイトでもNo.1調査の導入を検討し、その効果を実感してください。
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