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自社調べの根拠確認とチェックリスト
「自社調べ」とは、広告に載せる数値や順位を、その広告を出す事業者が自ら行った調査で裏付けていることを示す注記です。「満足度No.1(自社調べ)」「リピート率90%(当社調べ)」のように使われます。
自社で調べたこと自体が、ただちに違法になるわけではありません。問題になるのは、その調査が表示を裏付ける合理的な根拠になっているかどうかです。根拠の確認では、比較対象、調査対象者、調査方法、表示と結果の対応を点検します。このページでは、手元にそろえる資料のチェックリストと、表示を見直す手順を紹介します。
掲載内容更新:2026年10月21日。自社調べの根拠確認:そろえたい6つの資料
広告の表示文言と根拠資料を1組にして、次の記録を確認します。資料があるだけで十分とは限らないため、内容と表示の対応も点検してください。
- 表示の記録
掲載URL、広告画像、表示文言、注記、掲載開始日を保存します。 - 比較対象と選定理由
比較した商品・サービスの一覧、市場・地域の範囲、主要な競合を含めた理由を整理します。 - 調査対象者の条件
回答者の抽出条件、利用経験の確認方法、回収数、有効回答数を確認します。売上等の調査では、対象データの範囲と入手元を整理します。 - 調査票・調査方法
設問、選択肢、提示順、調査期間、実施方法を残します。文献調査では、検索条件と参照した資料を記録します。 - 元データと集計手順
集計前の記録、除外基準、計算方法、集計表を照合できる状態にします。 - 結果と表示の対応
調査で確認した指標・対象・期間と、広告から受ける意味が一致しているか、注記を含めて確認します。
資料が不足しているとき
不足する資料と、説明できない点を分けて一覧にします。「自社調べ」の注記を足すだけで解消するとは限りません。表示の修正・使用の見直し・追加調査の必要性を検討します。法的な判断が必要な場合は弁護士へご相談ください。
「自社調べ」は違法なのか
景品表示法は、誰が調査したかではなく、表示の内容が実際と合っているか、そして根拠があるかを問題にします。そのため「自社調べ」と注記すること自体を禁止する規定はありません。消費者庁の「No.1表示に関する実態調査報告書」(2024年9月)も、自社調べだけを取り上げて扱いを示してはいません。
一方で、自社で調査を行う場合は、調査の設計や集計が自社に有利な方向に偏っていないかを、外部の人に説明できる状態にしておく必要があります。第三者による調査に比べて、公平さを示す材料を自分で揃えなければならない点が、自社調べの難しさです。
消費者庁がNo.1表示で問題にしている4つの点
報告書は、No.1表示の根拠となる調査について、次の4つの観点から問題になる例を示しています。自社調べでも第三者調査でも、確認すべき点は同じです。
- 比較対象の選び方
原則として、市場の主要な競合商品・サービスを比較対象に含める必要があります。主要なものを外して比べた結果は、No.1の根拠として問題になります。 - 調査対象者の選び方
「顧客満足度」のように利用者の評価に見える表示なら、実際の利用者に聞く必要があります。サイトを見た印象を聞くイメージ調査だけで「顧客満足度No.1」とするのは問題とされ、注記を添えても解消しないとされています。 - 調査方法の公平さ
選択肢の並びで自社を有利にする、目標の割合に届いた時点で調査を打ち切る、といった恣意的な方法は問題とされています。 - 表示と調査結果の対応
調査で確かめた範囲を超えて表示していないか、表示の文言が調査結果を正しく反映しているかが問われます。
自社調べで起こりやすい5つの問題
1. 比較対象を自社で選んでいる
比べる相手を自社が決めると、結果として有利な相手だけが残りやすくなります。どの基準で比較対象を選んだのかを、調査の前に記録しておかなければ、恣意的でないことを示せません。
2. 回答者が自社の顧客に偏っている
自社の会員や購入者だけに聞いた結果を、業界全体の評価のように見せると、表示と調査結果がずれます。「当社利用者の○%が満足」と「満足度No.1」は、まったく別の主張です。
3. 設問や選択肢に誘導がある
設問の言い回しや選択肢の順番で回答は変わります。自社で作った調査票は、誘導がないことを第三者の目で確認しておく必要があります。
4. 調査の時点が古いまま表示を続けている
市場や競合は変わります。数年前の調査結果を時点の注記なしで使い続けると、表示が現在の実態と合わなくなります。
5. 調査の記録が残っていない
調査票、回答者の条件、回収数、集計方法などの記録がないと、行政から資料を求められても根拠を示せません。
資料の提出を求められたら(不実証広告規制)
消費者庁は、表示が優良誤認に当たるかを判断するために、事業者に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができます。資料は原則として求められてから15日以内に提出する必要があり、提出できない場合や、資料が合理的な根拠と認められない場合、その表示は措置命令において不当表示とみなされます(景品表示法第7条第2項)。課徴金納付命令の場面では、不当表示と推定されます(同第8条第3項)。
合理的な根拠と認められるには、資料が客観的に実証された内容であること、そして表示の内容と資料で実証された内容が適切に対応していることの両方が必要です。
参考:No.1表示への課徴金納付命令(2026年3月)
「お客様満足度No.1」などの表示について、回答者がサービスの利用者かどうかを確認していなかったこと、比較対象を恣意的に選んでいたこと、サイトの印象を聞く調査だったことなどから、客観的な調査に基づかない表示とされ、約1億7千万円の課徴金納付命令が出されました。誰が調査したかにかかわらず、調査の中身が問われることを示す事例です。2026年の措置命令まとめで詳しく解説しています。
ステマ規制との関係
2023年10月から、事業者の表示であることが一般消費者にわかりにくい表示(ステルスマーケティング)が、景品表示法の不当表示に指定されています。
自社調べの延長で、モニターやインフルエンサーに商品を渡して口コミや評価を集め、その投稿を自社サイトで「SNSで大人気」のように紹介する場合は注意が必要です。依頼したことを示す部分を省いて再掲した表示が、ステマとして措置命令を受けた例があります(2026年6月)。
自社調べの表示を見直す手順
- 表示の棚卸し
Webサイト、LP、広告、営業資料、SNSに出ている「自社調べ」の表示をすべて書き出します。 - 根拠の確認
それぞれの表示について、調査票・回答者条件・回収数・集計方法・調査時点の記録が残っているかを確認します。 - 4つの観点での点検
比較対象、調査対象者、調査方法、表示との対応のうち、説明できない点がないかを確認します。 - 表示の修正または調査のやり直し
説明できない点があれば、表示の範囲を調査結果に合わせて狭めるか、調査を設計し直します。第三者による調査に切り替えると、公平さを示しやすくなります。 - 注記の整備
調査の主体、時点、対象、方法を、表示の近くに読みやすく記載します。
当組合でお手伝いできること
帝国ナンバーワンリサーチ組合は、自社調べの表示の根拠の見直しから、第三者としての調査の設計・実施、表示文言と注記の案の作成まで対応します。比較対象と調査方法は調査の前に定めて記録し、根拠を用意できない表示はその時点でお伝えします。法的な判断が必要な点は、弁護士へのご相談をおすすめします。
根拠確認の相談前に用意するもの
確認したい表示のURLまたは画像、表示文言と注記、既存の調査票・集計結果、広告の使用予定をご用意ください。資料がない項目は「未確認」として整理できます。個人の回答データなどは、必要な範囲と共有方法を確認してからお送りください。
自社調べの根拠確認を相談する / No.1調査の費用・納期を確認する
「日本初」「業界初」の表示を確認したい場合は、日本初調査の方法と先行例の調べ方をご覧ください。
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表示の根拠づくりを、
その分野を読める担当者と。
医療・バイオ、光学機器、本人確認(eKYC)といった高度な専門領域の表示にも、分野の知見を持つスタッフを充てて調査します。調査に入る前に表示の成立見込みを確認し、根拠を用意できない表示はその時点でお伝えします。
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参考資料(一次情報)
本ページは一般的な情報提供を目的としたもので、個別の表示の適法性を判断するものではありません。